東京五輪に参加する「難民選手団」が決定!

6月8日、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長により今夏の東京五輪に参加する「難民選手団」の選手たちが発表されました。

この発表によると、「難民選手団」には12種目29名が選ばれ、7月23日から始まる東京五輪への参加します。

今日はこの「難民選手団」についてご紹介します。

難民選手団ってそもそも何?

難民選手団は2016年のリオデジャネイロ五輪の際にオリンピック史上初めて創設されました。

1896年に始まった近代オリンピックでは今日、世界200の国と地域からナショナルチームが参加していますが、2016年の大会からは世界に約8,000万人存在する故郷を追われた境遇にある難民の人々を代表する「難民チーム」が参加がしました。

今回の東京五輪に際しては、2018年の10月に開かれた第133回IOC総会で難民選手団の再結成が決定されており、直前に行われる出場選手発表に注目が集まっていました。

こちらが今回の東京五輪に合わせて作られた、難民選手団の紹介ムービーになります。

東京五輪難民選手団の選手一覧!

今回の東京五輪に選ばれた29名は、IOCスカラシップホルダーの難民選手団候補など55名の難民のバックグラウンドを持つアスリートたちの中から選ばれました。彼らは11ヵ国の紛争や政治的迫害が行われる国の出身で、現在13ヵ国で暮らしながらトレーニングを続けています。

では、ここからこの29名を一覧にして見ていきましょう。(リンクがあるものは、IOCの選手紹介ページへと飛びます)

※名前は英語をもとに日本語訳しているため、多少の誤訳はご容赦ください。公式の表記ができ次第、訂正していきます。

前回2016年リオデジャネイロ五輪の難民選手団の活躍

「難民選手団」が創設された2016年のリオ五輪の際は、4ヵ国から10名の難民のバックグラウンドを持つ選手たちが選ばれ、競技に参加しました。

今回出場する、陸上のナチケ選手柔道のミセンガ選手競泳のマルディニ選手などは前回のリオ大会にも出場しており、今回は2回目の難民選手団への選出となります。

特に柔道のミセンガ選手は前回、見事に一回戦に勝利をする活躍を見せました。

難民選手団がもつ意義とは?

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の統計によると、世界では今日、約8,000万人が故郷を追われています。これは世界の人口の97人に1人の計算となります。

私は多くの要人が言うように、彼らがこの約8,000万人いる難民を代表しているとは正直思えません。それは「難民」という属性や言葉で人々を括るべきではない、という私自身の信条があるからです。

これは私の所感ですが、そもそも難民の人たちの多くは避難をした後でも母国のアイデンティティを大切にしている人が多く、自分たちのことを「難民」であるとそれをあたかも国籍やアイデンティティであるかのようには語りません

「難民選手団」が自分たちを代表している、と思う人たちが果たしてどれだけいるのかは甚だ疑問を感じます。

しかし「難民選手団」の活躍が、世界中で故郷を追われた人々に希望を与える存在ではあるかもしれないと思っています。

たとえ「難民」と呼ばれる立場に置かれたとしても、頑張ればオリンピアンにもなれるんだ。

特に子どもたちにとっては、彼らの存在は未来を描く上での素晴らしいロールモデルとなる事でしょう。

最後に…

今回出場する選手たちの中では、テコンドーのキミア・ゼノジ選手のようにもともと母国で有名な選手が難民となってしまった人や、競泳のユスラ・マルディニ選手のように避難後に有名となったアスリート、柔道のポポレ・ミセンガ選手など前回のリオ五輪に続いての出場となった選手もいます。

私は選手一人ひとりにストーリーがあるのだということを、一覧のリンク先の記事を読み感じました。ぜひ、気になる選手などいましたら併せて紹介記事を読んでみてください。

開会式の日、難民選手団は伝統的に最初に登場するギリシャの次にオリンピック旗の下で行進します。リオ五輪では開催国ブラジルの前、最後から2番目でしたが、今回の東京五輪からは2番目の順番へと変更になりました。

私もテレビの前で、彼らに大きな拍手を送りたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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