ゾロアスター教とバザール観光など―クルディスタン旅⑦

こんにちは。クルディスタン旅、滞在も7日目となりました。

昨日の酒宴でアラック(中東の蒸留酒)やビールを飲み過ぎたことによる頭痛で目覚めたこの日は、朝ご飯を食べた後にゾロアスター教の寺院へと連れて行ってもらいました。

その後はスレイマニアの巨大なバザールを観光。最後にエルビルの友だち、ムハンマドの親友と夜のドライブをし、一日を終えました。

朝食は地元民に愛されるレストランで

前日飲み過ぎたこともあり、この日はお昼前くらいに起床。

下宿先の目の前にあったお洒落なカフェで朝のひと時を過ごしていました。

美味しいトルココーヒーを飲んだ「ピカソカフェ」

この後、お昼休憩になったムハンマドが迎えに来てくれて、一緒に朝食(昼食?)を食べに行きました。

この日の朝食

不覚なことに、レストランの場所を記録するのを忘れていました。。

これでもまだ全部料理が揃っていないのですが、トマトベースのスープに野菜やらチキンが入っており、焼きたてパンにつけて食べると幸せが溢れてきます。(笑)

ちなみにこの日も払わせてくれなかったので、いくらかも分かりません。。

経営されているご家族(お母さん目つむってた。。笑)

ゾロアスター教の寺院を見学

この後、昨日飲み会で知り合ったゾロアスター教徒のハジさんが迎えに来てくれて、スレイマニアにあるゾロアスター教の寺院に連れて行ってくれました。

連れて行ってくれたハジさん

ゾロアスター教って何?

ゾロアスター教世界最古の一神教宗教の一つと言われており、預言者ザラスシュトラ(ゾロアスター)が約3,500年前に現在のイランで創設したと言われています。

アフラ・マズダの絵

世界を善の神(アフラ=マズダ)悪の神(アングラ=マインユ)の絶えなき戦いの中にあるとみなす善悪二元論的宗教で、その戦いの終わり(最後の審判)の後に待つ世界という考え方(終末論)は、後のキリスト教やイスラム教といった今日の世界を席巻する一神教信仰に繋がっています

クルディスタン・ゾロアスター教センター

センターの入り口

私はゾロアスター教については高校の世界史の授業で習っただけだったのですが、センターを案内しているレバールがとても詳しくゾロアスター教について教えてくれました。

レバールさんと、儀式の時に使う太鼓

ちなみに日本の車の会社であるマツダは英語表記ではMazdaと書き、これはゾロアスター教の最高神アフラ=マズダに由来しています。

入信の儀式(ナブヨテ)の際に使用する部屋

礼拝は朝、日の出とともに太陽を浴び、土を手に取り、自然を感じて執り行うそうです。

一神教なのに自然崇拝も融合しており、仏教や神道の考えに近いものも感じました。

レバールさん曰く、イラクには3,000~5,000人のゾロアスター教信者が暮らしており、昔は迫害にもあっていたそうです。

ただ現在は、都市部を中心にゾロアスター教の理解も広がっており、イスラム教やキリスト教との共存もとても上手くいっているとのことでした。

ゾロアスター教センターのみなさん、ご案内いただきありがとうございました。

スレイマニアのバザール

ゾロアスター教センターを後にした私は、スレイマニアで毎日お昼頃から日没まで開かれているバザールへと行きました。

「かなり大きい」とは聞いていたのですが、1時間近く歩いても全部回れないほどお店がたくさんあります。笑

道路も車で溢れています…
たくさんの地元の人が買い物に来ています
色とりどりのフルーツや野菜は見ているだけで楽しいですね!
お茶屋さんでも一服…

グランド・モスク

バザールを歩いていると、一際大きなモスクが見えてきます。

青色がよく映えるスレイマニアのグランド・モスク

こちらはスレイマニアのグランドモスクです。

18世紀中頃に建てられ、今でもスレイマニア住民の信仰の中心地となっています。

グランドモスクの中庭

イスラム教徒でないと入れてもらえないモスクも多いですが、こちらは問題なく入れました。

マフムード・バルザンジの墓

モスクの中には、イギリスの支配に対してクルドの独立を求め蜂起した、マフムード・バルザンジの墓もあります。

墓に向かってお祈りする人も多く、彼がスレイマニアの人々の英雄だということがよく分かりました。

グランドモスクの位置

スレイマニアのバザールはグランドモスクを中心に広がっています。

スレイマニアで夜のドライブ

一度下宿先に戻り、20時頃にエルビルのムハンマドの友人であるアルマンと外出することになっていたので、再び外に出ました。

なかなかクレイジーな友だち、アルマン

カズワンコーヒー

彼とまず、若者に人気の屋台通りでコーヒーを飲みました。

カズワンコーヒー

ここでは普通のコーヒーではなく、カズワンというピスタチオの一種を挽いたコーヒーをいただきました。

味は強くないのですが、ピスタチオのような香ばしい豆の香りがする美味しいコーヒーです。

日本語ではなかったのですが、英語のWikipediaの記事があったのでリンクを貼ります。

アズマル山

アルマンの奥さんと弟と合流後、4人でスレイマニアが一望できるアズマル山へと向かいました。

滞在3日目の記事にてご紹介したドホークという街もそうでしたが、ここスレイマニアもいくつか山に囲まれているため、壮大な街の景色を見ることができます。

スレイマニアの夜景(雲の中から。笑)

残念ながらこの日は大雨が降り、霧も濃かったために夜景の半分も見ることができませんでしたが、スレイマニアに訪れたら必ず訪れることをオススメします。

クルディスタン豆知識:治安

前回から始めた「クルディスタン豆知識」。今回は旅をしようとする方が気になる治安についてご紹介します。

※状況は常時変化しますので、渡航の判断は自己責任で行ってください。

過激派組織「イスラム国(IS)」のその後

2014年以降、イラクではイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が台頭し、エルビルから数十キロしか離れていないイラク第二の都市モスルは、3年半に渡り支配されていました。

現在、イラク国内にISの支配地域は無くなったとはいえ、首都のバグダッドを中心に単発的なテロ攻撃が起きています。

イラク国内で一番安全と言われるエルビルでも2018年7月にクルド自治政府庁舎への攻撃があり、ISが犯行声明を出しています。

クルディスタンであってもテロの脅威が完全に去った訳ではないので、くれぐれも用心して行動してください。

2大政党の対立

テロ組織の脅威に加え、クルディスタン内でも2つの政党が対立も国内の政情不安に繋がっています。

エルビルから西の方にかけてはクルディスタン民主党(KDP)が支配しているのに対し、スレイマニアなど東部の年ではクルディスタン愛国同盟(PUK)が政治の実権を握っています。

スレイマニアにある前PUK党首、故ジャラル・タラバーニの写真

1990年代までは両者のあいだで戦闘が頻発しており、多数の死者が出ていました。

1998年に和平協定が結ばれたとはいえ両者の対立は解消されておらず、今でもクルディスタン内で政治のことを話すことはタブーとなっています。

NO GO ZONEs

  • モスル:先ほども書きましたが、モスルは3年半以上に渡り過激派組織「イスラム国」の支配下におかれ、まだ組織の残党が多く潜んでいると見られています。また最近、イラク中央政府はモスルの旧市街地での撮影を禁止する通達も出しました。
  • キルクーク:エルビルの南部にある街キルクークは、2014年以降クルド自治政府の管轄下にあった都市でした。しかし2017年にクルド自治政府が独立宣言を発したことに反発した中央政府が街を占拠。現在は中央政府の支配下に置かれており治安も不安定です。滞在6日目の記事でも書きましたが、クルド政府が発効しているビザと中央政府が発効しているビザは別物です!間違えて中央政府の管轄地域に入ると不法滞在で捕まります。キルクークはスレイマニアに向かう際の通り道にもなるので、移動の際はドライバーが間違えてキルクークに行かないよう注意してください。
  • トルコ国境地帯:クルディスタン北部にあるトルコとの国境は、クルド労働党のゲリラが多く潜んでおり、それに対するトルコ軍の攻撃が行われています。北部はトレッキング好きな方がよく行くとも聞くので、事前に行く場所の情報を入手してから向かってください。
  • シリア国境地帯:シリアとの国境を接しているクルディスタン北西部は、IS関連でも戦闘が行われていない数少ない場所です。ただシリア側ではロシア軍の空爆も行われたり戦闘地域が近い場所にあります。さらに国境地帯は犯罪組織の温床にもなりやすいので、誘拐なども頻発していることを念頭に置いてください。

いくつかの国内事情に加え、クルディスタン(または隣接地域)のNO GO ZONEsもご紹介しました。またこれらに加えて、外務省が掲載している海外安全ホームページも最新の治安情報が載りますので、渡航前に必ず確認してください。

次回予告!

明日は夕方にエルビルへ戻り、次の日の夕方にはクルディスタンから本拠地のイギリスに戻ります。

明日が移動日で次の日も比較的ダラダラ過ごしていたので、最後の2日間は一本の記事にまとめ、今回のクルディスタン旅ブログも最終話にしようと思います。

ぜひお楽しみに!

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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