シリア国境からのドホーク観光―クルディスタン旅③

こんにちは。

さて、今日はクルディスタン滞在3日目の記事です。

前インターン先の上司たちとシリア国境で別れた後、私はドライバーさんと一緒にエルビルへと戻りました。

その途上、前日に通ったドホークという街、そしてその周辺にあるイラクの少数民族であるヤジディ教徒が避難している難民キャンプを少し訪れました。その時の様子を中心にお届けします。

シリア国境

朝、まだ陽が昇らない時間に起きた私たちは、ホテルで朝食を食べ早速シリア国境に向け出発しました。

ホテルからはザホの街が一望できます。奥の山々はトルコとの国境地帯

ザホからシリア国境までは、検問所をいくつか通ることを除いては30~40分ほどで着きます。

ザホからクルド人勢力が管轄しているシリア国境の検問所があるフェイシュ・カブールまでのルート

途中ではトルコとの国境検問所も通過しました。3ヵ国の国境がこんな近いのが分かります。

国境地帯には豊かな自然が広がっています

そしてシリア国境に到着。

イラクとシリアを隔てるチグリス川

この辺りは、世界史を学んだ人なら聞いたことがある、あの世界3大文明であるメソポタミア文明が生まれたチグリス川が国境線となっています。

ここら辺はイラクのニナワ県に位置し、隣のアンバール県とともにイラク国内で過激派組織IS(イスラム国)が完全掌握していた地域の一つです。

この豊かな自然の近くでつい先日まで戦闘が行われていたことが信じられない気持ちでした。

私が訪れた時期は、いつまたトルコがシリア北部に侵攻するか分からないという不安が高まっていた時期でもあったので、過激派組織IS(イスラム国)が周辺にはいなくなったとはいえ国境地帯には緊張感が漂っていました。

※注意:現在、北部のクルド人地域も含めシリアへの渡航は厳しく制限されています。

ドホーク プチ観光

国境検問所で元上司たちを送った後、私はドライバーのアヤドさんと一緒にエルビルに戻りました。

ドライバーをしてくれたアヤドさん。クルド人部隊でIS(イスラム国)とも戦った元軍人さんです。

滞在2日目の記事で紹介した写真のここらへんがドホークになります。山々に囲まれているため、夏はクソ暑く(50℃越え)、冬はクソ寒いとのことでした。

ドホークの位置

個人的にはクルディスタンの山梨県だと思いました。(笑)

ジャバル・ザウア(ザウア山)からの眺め

アヤトさんがドホークの出身でもあったことから、彼が帰り道のついでに少し街を見せてくれることに!

最初に行ったのはジャバル・ザウア(ザウア山)というドホークの街が一望できる場所に行きました。

ドホークの眺め

この眺め!美しくないですか!?

夏は夜になると人々がこぞって山を登ってきて、夜景を見ながらお茶を飲んでいるそうです。

山の斜面にはクルディスタンの旗が描かれている場所も

そして反対側に広大な湖も見ることができます。

モスル湖の眺め

遠くにはモスル湖も見えます。

この湖を越えたところに、過激派組織IS(イスラム国)が長年占領し続けた街、モスルがあります。

ドホーク湖

次は街を突っ切り、ザウア山の反対側に。

ドホーク湖

これはチグリス川からの水をダムでせき止めてできたドホーク湖

最近の雨で土砂崩れが何度か起き、左に写る山肌が少し赤いのがいいコントラストを生んでいます。

2つのヤジディ教徒避難民キャンプ

さて、シリア国境からドホークへ向かう途上、そしてザウア山からドホーク湖へと向かう途中に、私たちは2つの難民キャンプを訪れました。

シリア国境の近くにあるバーチド=ケンダル難民キャンプと、ドホークの郊外にあるシャリーヤ難民キャンプです。

両方とも2014年に過激派組織IS(イスラム国)の台頭後、「異教徒」として奴隷化され、虐殺されたイラクの少数民族ヤジディ教徒の国内避難民が住む難民キャンプです。

ヤジディ教とはクルド人の一部の人々が信じている民族宗教で、キリスト教、ユダヤ教、そしてイスラム教の3つを合わせたものと言われています。

全世界で約100万人近い信者がいると考えられています。

イラク北部には、このようにヤジディ教徒が避難している難民キャンプが数多くあります。

バーチド=ケンダル難民キャンプ

キャンプの大体の位置

最初は車で通っただけですが、シリア国境近くにあるバーチド=ケンダル難民キャンプです。

1万4,000人(2014年データ)が暮らす比較的大きなキャンプだけあり、多くの人が行き来していました。

キャンプについてはこちらから国連のデータを見ることができます。

シャリーヤ難民キャンプ

次はドホーク市内から車で少しいった所にあるシャリーヤ難民キャンプです。

シャリーヤ難民キャンプ

ここも1万9,000人近いヤジディ教徒の人々が暮らしています。

2014年にはIS(イスラム国)が30kmの所まで接近し、砲撃がすぐ側で聞こえたそうです。

ここではキャンプの外に出た人たちがすぐ側に家を建てたりしたので、シャリーヤは一種の「国内避難民の街」のようになっています。

シャリーヤ難民キャンプについて詳しく知りたい方は、こちらの国連のデータを参照ください。

もしヤジディ教徒に興味があれば…

この話を読んで、もしヤジディ教徒に興味があると思ったそこのあなた!

朗報です。今年(2019年)は日本でヤジディ教徒に関連した映画が二本公開される予定となっています。

『バハールの涙』は実話を基に作られた映画で、IS(イスラム国)に対抗するために部隊を組織するヤジディ教徒の女性たちを描いています。

またもう一つ、『ナディアの誓い』は、2018年にノーベル平和書を受賞したナディア・ムラドさんを追った映画です。

『バハールの涙』は1月19日にから、『ナディアの誓い』は2月1日からの公開予定です!

エルビルに帰還!

さあ、そして長旅を終え、またエルビルへと帰ってきました。

昼食と観光

この日は、前日の記事でご紹介したムハンマドが昼食に連れて行ってくれたり、ドライブで街を案内してくれました。

お昼には今回の旅で初めて、クルドケバブを食べました!

ケバブ・ヤシムの場所

ムハンマドがケバブ・ヤシムというエルビルでも有名なケバブ屋さんに連れて行ってくれました。

クルドのケバブ料理を堪能!

クルドのケバブはひき肉なので、トルコのものに比べて肉汁は少ない代わりに脂っぽく、焼きたてのパンによく合いました。

(ちなみにまたムハンマドが全部奢ってくれたので、値段はいくらだったかは不明です…)

その後は彼と2時間程エルビルの街をドライブ。

郊外のお金持ち地区

彼とクルディスタンの生活や彼の半生について、また政治や経済の話もして仲も深まりました。

遠心状に街が作られているエルビルは、中心地は伝統的で保守的なクルド人が多いですが、外側に行けばお金持ちであったり、アラブ人も多く暮らしています。そんなエルビルの多様な顔も見ることができました。

エルビルの夕日

次回予告!

次の日は、急遽日本のNPOである「日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)」さんが国内避難民の支援事業を見せてくれるとのことで、活動を見学に行きました!

その様子を中心にご紹介します。

そして、イラクのボディビルディングチャンピオンともお友だちに…!?

次回もお楽しみに!ここまで読んでいただきありがとうございました!

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